February 8, 2011

Peru /Bolivia 02

Uyuni Salt Lake with my sister.









Peru /Bolivia 01

南米から無事帰ってきました。日本から飛んでくる妹とは現地集合、2週間の日程で Peru + Bolivia はかなりきつい日程でした。高山病にかかってダウンすることをまったく考慮にいれていなかった程。

マチュピチュやウユニ塩湖の名所は綿密な計画を立てて妹とまわり、ウユニでさおりが帰ってしまってからは、着いた街でその日の宿と次の街への交通手段をつたないスペイン語で手配する旅でした。地球の歩き方に交通費の目安は書いてあっても、それはストの前の値段だとか、朝早いと値段が違うと言いだすと、相手はなかなか譲らない。他の会社の相場と比べたり、安宿で他のバックパッカーたちと情報交換したりしながら進みました。

この弾丸旅行では日程のあう旅の道づれに会うはずもなく、1人であるく見知らぬ街でできることといったら、写真、お土産、おいしいものを食べること。写真はいっぱい撮れたけど、予算は尽きるし胃袋には限度がある。なんとなく心細かったな。

前に Chile をぶらぶらしたのは '06。ドームの共同風呂で水シャワーしかでなかったり、カンカンの太陽に焼かれながら砂漠を歩いたり、トイレがぞっとするほど汚かったり、バスを降りるとき預けた荷物が盗まれず帰ってきてほっとしたり... Tシャツ数枚とジーンズ1枚で旅に出た学生時代には難なくこなせたことで、今回はもうイヤってことがいくつもありました。こういうふらり旅はいつまでもできるわけじゃなさそうだと思いつつ、今回はなんとかこなせたことが嬉しかった。

それにしても行く先々で "こんなに?!" と思うほどの日本人と遭遇。不景気もあって、長期旅行人口が増えているんだとか。ロサンゼルスも不景気で大変だけど、家族とも多くの友人とも離れてのこっちでの仕事、もうちょっと頑張ってみようと思った旅でした。












神々の指紋 (グラハム ハンコック)









★★★☆☆
うぁぁぁぁぁ!南米旅行の帰りSan Salvador の空港で5時間の待ち時間があるというのに、コムズカシクてぶ厚いから大丈夫だろうと思っていた グラハム ハンコック氏 の "神々の指紋" 上下巻を、San Salvador 着陸直前に読み終わってしまった。なんという不覚。荷物が増えることと読む本がなくなるのでは、絶対に重い荷物を選ぶべきだった...

著者が、人類の失われた記憶 -文明の夜明けと考えられている 3,000BC のエジプト以前に繁栄し、滅亡したと考えられる古代文明- の存在を仮定して、その論理的証拠を探して中南米の遺跡や各地に伝わる伝説を実地検証していくという、壮大な作品。

主な証拠としてあげられている事象は以下のとおり。
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・ 南極大陸の正確な地図を、大陸発見以前に作成した者がいた。南極大陸が氷に覆われていなかったのは、6,000BC以前のこと。地図の作成には高度で複雑な技術を要する。

・ エジプト文明を代表する建造物、スフィンクスや河岸神殿に、科学的に間違えることができないほどはっきりと雨による磨耗の痕跡が残っている。エジプトで石を侵食させるほどの降水量があったのは、10,000BC 頃。

・ エジプト文明ではナイル低地の陸に閉じ込められた人々が、農業には必要ないはずの航海民族レベルの天文学を使いこなしていた。これらの知識は、エジプト文明がさらに太古の文明から継承したものだと考えるべき。

・ インカ帝国征服の際に、スペイン人の歴史学者が残した記録によると、ティワナコの遺跡はすでに磨耗していた。インカ文明はこの巨大かつ精密な石造建築物を太古の文明から引き継いだのではないかと考えられる。マチュピチュだけを見ても、遺跡のあちこちで建築技術の水準に明らかにばらつきがあり、これは既存の建造物に手を加えて使っていた形跡と考えられる。

・ 各地で別々に発展したばずの、伝説、神話、宗教の経典に共通して繰り返し使われるモチーフ (象徴的数字、洪水に箱船、民を教え導く知識人など) が存在する。これはもう、実際に氷河時代の最後(15,000BC 〜 8,000BC)の破壊的な解氷によって失われた、太古の文明が体験した実話ではないのか。
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つまり太古の高度な文明は少なくとも一度滅びている → その高度な文明が当時の技術を集大成して、現在の文明もまた滅びるということを我々に伝えている → 現在の技術を駆使して我々も後世に技術や文化やメッセージを送るべきなのではないか... と展開します。若い研究者や各分野の権威の好奇心を刺激し、多方面の研究の発展を促すことが目的なのでしょうが、どうもムダにおどろおどろしい。

こういった終末思想をテーマにすると、どんなに理論的に証拠をあげていてもどうしてもうさんくささは拭えない。それは、世界が終わるなんて信じたくないからではないと思う。広大な宇宙にぽっかり浮かぶ小さな地球に住む以上、そういうことがあっても不思議はない。ではどうして、地球が滅びることは必至という過去の天才たちのメッセージ (著者によると...) に耳を塞ぎたくなるかというと、多分何もできないからだと思う。

宗教がある人もない人も、巨大隕石が地球に衝突する、地殻大変動が起こる、他の惑星が地球の磁力引力を乱す "その時" が来たら、手の届く限りの人を守り、思いつく限りの人の無事を祈り、あらん限りの知恵と物資を使い果たしたら、おとなしく儚くなるしかないじゃないかと思う。

まぁともかく。論理を展開していく部分は天文学や古代史の背景知識がないとついていくのが難しいのに加えて、この上なくうさんくさいですが、彼の文章は美しく、そして行動力のある人なので、旅行記としてだけ楽しんでみるのもいいと思います。守衛に賄賂をばらまいて深夜ピラミッドに登ってみたり... と、めちゃくちゃです。遺跡がたくさん出てくるので、旅行の予習にお勧めです。

"過去というものは、とにかく乾いてほこりにまみれたものだ。だが、無口なことは少なく、耳を傾ける者には、情熱を込めて語りかけてくる。" /グラハム ハンコック