March 31, 2008

On Demand

心にうつりゆくよしなしごと。

これも知ってる、あれもわかってる、そっちも大体想像つく... と世の中を呑んでかかれる性分だったらさぞ生き易かろうと思っていたけれども、別にそうでなかったからといって前途多難な人生が待っているわけではないらしい。

何もかもに対して時間がかかりそうで難しそうで経験がないとできないと大げさに考えがちな私は、こんな単純な仕事... とはなから倦厭するだけの勘がざっくり抜けているせいで “設計図を市役所に提出” とか “返された図面の直し” などやっつけ仕事がまわってきても大命を仰せつかったかのようにわくわくする。
建築士免許がなくても建てられるような何の変哲もない木造二階一軒家の設計なにかに嬉々として熱中してしまう。

建てているものが構造、造形、コンセプトの面で歴史に名を残す作品であれば、それはそれで貴重な経験であるには違いないけれども、それ以前に “設計図をまとめる” という作業そのものによって喜んでしまっている私にとっては猫に小判か豚に真珠かはたまた馬の耳に念仏か。。。

以前インターンでお手伝いしたStudioNOA で直接仕事を教えて下さったイトウさんはある時ものめずらしそうに私を見て、“デザインしかやりたくないってインターンも多いけど、平島さんは何を頼んでも楽しそうにきちんと仕事するね” と言ってくれた。確かに大望を抱く割には妙に現実的な事が好き。かっこ悪いよな~とは思いつつ、こんな人間にはどこにでも居場所がありそうだとも思う今日この頃。


Pritzker Prize 2002 を受賞した Glenn Murcutt のインタビューより。
I still hold to that old statement of my father, that in life most of us will do ordinary things, and the important thing is to do those ordinary things extraordinarily well.

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