January 7, 2011

黄色い目の魚 (佐藤 多佳子)










★★★★☆
甘っあまの青春ラブストーリーだったらどうしようと思って読んだけど、予想していたより爽やかに流れてくれました。

これを乗り越えれば変われる!とか、こんなことも続かないのは自分のいい加減さの象徴だ。とか、やたら思いつめがちな青春時代の記。一貫して甘くも熱くもなりすぎず、あくまで文章が爽やか。

鎌倉が舞台と言ってもあまり背景に重点は置かれていません。湘南の海は青春モノにぴったりなはずなのに少し残念。

悟が自分の高校は進学校と言っていたので、湘南か?!と思ったけど、学校からは七里ケ浜より稲村、由比ヶ浜の方が近いということは男子高の鎌倉学園?でもその近くに北鎌倉女子学園もあるからまぁなんとなくどちらかということで。

"江ノ電が腰越を出て左にカーブを曲がったとたん、相模湾が車窓いっぱいに広がる。...右には江ノ島。左遠方に伸びる海岸線は逗子、葉山、俺んチのほうだ。"

...ってなんで悟はみのりに会いにに七里ケ浜へ行くのに江ノ電で西から来るんだ?吉祥寺のギャラリーにいたはずではなかったか?

通の借りたコテージは霊仙山の頂上付近にあるらしい。ここからなら長谷観音の喫茶店 "ハーフタイム" も近いから、悟は酔っぱらったみのりを抱えて電車に乗ったわけではなかったんだな。

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